心に残った歌

今までに心に残った歌(1970年代~)

「秋の気配」


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1977年8月5日に発売されたオフコース通算11枚目のシングル

先々週、“ふきのとう”さんを書きましたが、“ふきのとう”さんを書くのなら、やはり“オフコース”さんも取り上げるのが筋というものです。“ふきのとう”さんの中でも少し書きましたが、“オフコース”さんも元々は小田和正さんと鈴木康博さんの二人組でした。

 

ウィキペディアによりますと、本当の初期の頃はほかにもメンバーがいたそうですが、僕が知ったときはすでに二人組になっていました。僕にオフコースを教えてくれたのは妹です。友だちから借りたというカセットテープを貸してくれました。大学1年か2年の頃です。 *筆者注:1977年前後です (^_^;)

 

実は、そのとき借りたアルバムは全く「いい曲」とは思いませんでした。ですから、なんの感動を覚えることなく記憶から消えていました。それがいつから「いい歌を作るバンド」となって僕の脳に住み着いたのかは定かではありませんが、僕の中で正確な記憶として登場するのは今の妻とつき合ってからです。

「今」と書きましたが、文章の流れの中で書いたまでで、「昔」があるわけではありません。(^_^)

 

僕は他人と群れるのが嫌いなのですが、だからといって「ひとりぼっち」になるのも寂しさを感じてしまうタイプでした。ですので、「できるだけ早く結婚したい」と思っていました。つまり、自分で稼ぐようになった時点で、お嫁さん探しの網を張っていたことになります。その網に引っかかったのが今の妻ですが、その妻と並んで歩いていたときによく歌っていたのが、この「秋の気配」です。

 

 

先ほど、初めてオフコースを聞いたときは全く「いい曲」とは思わなかったと、書きましたが、その理由はそのアルバムのある曲の歌詞があまりにバカバカしく感じたからです。だって、その歌の出だしは

 

♪冬と夏の間に 春をおきました

 

ですよ。青春真っただ中の僕が「あったりめえじゃ~ねぇか」と思って当然です。なので、感動することもなく記憶から消えていたのですが、「秋の気配」はそのメロディーに心奪われてしまいました。

 

このコラムは文章ですので、お伝えできないのが残念ですが、メロディーラインが本当に素敵なのです。まるで、僕のために作られたかのような歌い上げるメロディーなのです。(~_~;)

 

しかし、素人の僕がいうのは誠におこがましいのですが、歌詞はそれほど感動するものでもありません。なにせ、港の見える公園から景色をながめているだけで、彼女に振られた彼氏の心情が綴られているだけです。しかも、みみっちく…。

 

それはともかく、妻と並んで歩いているときはしょっちゅう歌っていた「秋の気配」ですが、その歌をきっかけにして僕はオフコースの大ファンになりました。オフコースもこの歌のあたりから認知度があがり、その後ヒットを連発して押しも押されぬビッグバンドになっていきました。

 

オフコースといいますと、小田和正さんの代名詞のようになっていますが、元々の相方である鈴木さんが途中で脱退したのも、そこに原因がありました。これはたまたまYouTube でみたのですが、昔を懐かしむ番組の中で鈴木さんが告白していました。「オフコースというと小田」というイメージになっているのが、我慢できなかったそうです。

 

その番組は当時バンドや歌手として活躍していた人たちが集まって昔話に花を咲かせる内容だったのですが、「こんなこと言っていいのかな…」という感じで話していたのが印象的でした。もし、YouTube がなかったならこうした番組を見ることもなかったはず、と思いますと、本当にいい時代になったもの、と実感しています。

 

小田さんは30年ほど前に映画を製作していますが、なにかで成功した人が映画製作に進出するのはひとつの流れといいますか、流行のようになっています。小田さんが映画を作る少し前にはサザンオールスターズの桑田さんが「稲村ジェーン」という映画を製作していますし、その以前には「さだまさし」さんが「長江」というドキュメント映画を製作しています。

 

ちなみに、さださんはこの長江の失敗により多額の借金を背負い、完済したのはほんの数年前となにかで読んだことがあります。その度胸といいますか、覚悟といいますか、器の大きさには驚かされるばかります。

 

成功した人が映画業界に進出したくなるのは、同じく成功した人が飲食業に進出したくなるのに似ています。飲食業は普通に生活していますと、目に触れることの多い、またマスコミなどで取り上げられることが多い業界です。しかも外から見ていますと、なんとなく簡単に成功できそうな雰囲気を感じる業界です。

 

実際、僕も高校時代の友だちから声をかけられたことがあります。その友だちは若い女の子を使う夜の仕事である程度お金を貯めていたようで、できたら真っ当な業種で成功したいと考えているようでした。実際に、会ってお店まで見せてもらいましたが、「甘くみている」のが見て取れたので断りました…。

 

あ、今日は「秋の気配」でした。先に「秋の気配」の歌詞は今一つ、などと生意気なことを書きましたが、内容的には映画の一場面を見ているようでもあります。恋をしたふたりが一緒にいるうちに段々と心が離れていく…、よくあることです。結婚する前にそうなることがわかるのですから、これは悪いことではありません。その意味でいいますと、「秋の気配」は結婚する前の男女が、決意を固める前に聞いたほうがよい歌ともいえそうです。

 

それでは、また。