心に残った歌

今までに心に残った歌(1970年代~)

「愛しているのに」


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長渕剛

1993年大阪城ホール 白の情景 


いつも書いていますように、僕は音楽に詳しいわけではありません。ですので、僕が好きになる歌というのは、その歌が世の中で人気があった時期とずれていることがたびたびあります。「たびたび」どころが、ほとんど全てと言っても過言ではないかもしれません。

今回紹介します「愛しているのに」という歌は最初は1982年に発表しているのですが、僕が好きになったのは1993年に大阪城ホールで歌っている「愛しているのに」というライブ版です。よく言われることですが、長渕さんは歌うごとにメロディーが変わることがあります。ひどいと言いますか、顕著なときは最初の頃のメロディーの面影を全く残していない場合さえあります。

人によっては、「別の歌」とまで言い切る人がいますが、最初の頃のメロディーが残っていないのですから否定できなくもありません。82年に発表したときの歌は澄んだ声でさわやかに歌っています。それに対して僕が好きな「愛しているのに」はダミ声で迫力ある声で歌っています。

からしますと、その皴枯れた感じがメロディーにピッタリはまって最高なのです。YouTubeでは「白の情景 LIVE'93 大阪城ホール」とタイトルがついていますが、このときのピアノ弾き語りのアレンジも最高です。YouTubeでは87年のライブも見ることができますが、ピアノのアレンジが今ひとつで、93年の素晴らしさには及びません。

実は、この歌は最初に一度聴いて、長い間聴くことができないでいました。理由は、いつどこで歌われたのか分からなかったからです。たまたま偶然YouTubeで出会うことができたのですが、そのときのうれしさといったら半端ではありませんでした。YouTubeさまさまです。そのときに初めて「大阪城ホール」とか「白の情景」とかというタイトルを知ることができたのです。

このライブのあと、長渕さんは薬物疑惑で逮捕されたりもするのですが、この頃の長渕さんが一番好きです。このときの映像を見ますと、「神がかっている」という言葉がぴったりあてはまるような雰囲気を醸し出しています。声を張り上げなくても絞り出さなくても、腹の底から迫力ある声が響いてきていました。これを「神がかり」と言わずなんと言いましょう。

僕が長渕さんを知ったのは「順子」という歌がヒットしたときです。テレビの歌番組で知ったのでしょうか。定かではありません。それからテレビドラマの「とんぼ」のヒットがあり、「乾杯」があり一気に全国区になっていきました。「乾杯」という歌も最初にリリースしたときのメロディーと全国区になったときの「乾杯」は別物のメロディーになっています。

この頃、なにかのインタビューで「メロディーの違い」を指摘されたとき、「歌はそのときどきで変わっていくもの」と憮然と答えていたのが印象に残っています。そういえば前々回桑田さんの「真夜中のダンディ」を紹介しましたが、桑田さんと揉めたのもちょうどこの頃だったように記憶しています。

それはともかく声量といい心情を込めた歌い方といい、歌がうまいのは間違いありません。僕に褒められてもうれしくもないでしょうが、歌がうまいのだからこそ、楽譜に忠実に歌ってほしいと思っています。

また、次回。