心に残った歌

今までに心に残った歌(1970年代~)

「泣くかもしれない」


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作詞作曲 下田 逸郎
歌 Homeless Heart
(山下弥生(vo)と岩田浩(G)(1957年1月30日生/兵庫県出身)からなる二人組のユニット。1994年10月発「Homeless Hear」でデビュー。1998年活動休止。


この歌を知ったのがいつなのか全く記憶がないのですが、2014年に製作された「海を感じるとき」の挿入歌として注目されました。しかし、映画の中での「泣くかもしれない」は僕が聞いたことがある歌とはちょっと違っていました。そこで調べたところ、昔CDで発表されていたときとは違う人が歌っていることが判明しました。

 

昔僕が聴いたCDは「ホームレスハート」という男女のユニットが歌っていたのですが、「海を感じるとき」の挿入歌でも男女のユニットではあったのですが、この映画のために組んだユニットだそうでした。しかし、昔の歌声を知っている僕としましては、やはりどこか物足りないものを感じてしまいます。

 

そもそもの話で言いますと、この歌を作詞作曲したのは下田逸郎さんという70年代に活躍したフォーク歌手です。確か、僕が高校生か大学の頃だったと思いますが、メジャーになっていた山下達郎さんと、どこか名前のイメージが似ていたのが強く記憶に残っています。しかし、名前のイメージとは裏腹にどこか暗く「あまりメジャーになりたくない」感が醸し出されていたフォークシンガーでした。

 

下田さんで有名なのは石川セリさんが歌っていた「セクシー」でしょうか。

♪子供みたいに笑うあなたが
♪急に黙って セクシー
♪旅に出るなら 夜の飛行機
♪つぶやくあなた セクシー

 

今の若い人は知らないかもしれませんが、石川セリさんはフォーク界の大御所・井上陽水さんの奥様です。僕の印象では、このように言っては失礼にあたりますが、下田さんはご自分が歌うよりもほかの人が歌った方が「素敵な歌」になるような気がします。桑名正博さんには「月のあかり」というバラードの名曲がありますが、これも下田さん作詞作曲の歌です。

 

話を戻しますと、「海を感じるとき」で久しぶりに「泣くかもしれない」を聞いたのですが、なんか違うなと思って調べて、僕が聴いていたユニットとは違うことがわかり、ネットで調べました。すると、ちゃんとあるんですねYouTubeに。さすがです。

 

僕が聴いていたときのユニットはもう解散しており、なので映画では新たにユニットを結成したのかもしれません。ですが、YouTubeでは僕が聴いていた歌がちゃんとアップされていました。本当に便利な時代です。

 

「泣くかもしれない」が僕の心に刺さったのは、その歌詞の奥深さでした。基本的に下田さんの歌はどれも歌詞が深く素晴らしいのですが、「泣くかもしれない」も秀逸です。僕に褒められてもうれしくないでしょうが…。

♪誰にでも愛される女に
♪なればなるほど
♪ダメになってく私がいて

♪誰からも嫌われる女に
♪なればなるほど
♪強くなってく私もいる

 

女性の心情を歌っていますが、よくよく考えますと男性にも当てはまり、つまりは人間すべての人のことを歌っています。周りのみんなから好かれようとするということは、自分を押し殺すことですので、自分がなくなっていきます。そして、自分を強く出せば出すほど周りとの軋轢が生まれ、生きづらくなっていきます。いったいどっちが本当の自分で、またどっちを相手の人は好んでくれるのか。哲学な歌ですよねぇ。

 

と、ここまで書いてきて思い出しました。先週の告知として「来週も浜田省吾さんの歌」を予告していましたが、変更することになってしまいました。その理由は、先週アマゾンプライムで「火口のふたり」を観たからですが、その挿入歌に下田さん作詞作曲の歌があったのです。それで下田さんの歌が心に強く刻み込まれてしまい、今回取り上げた次第です。ちなみに、その歌とは「早く抱いて」という歌ですが、またもや下田さんらしい心に刺さる歌詞になっていました。

 

下田さんはこんなに素晴らしい歌ばかりを作っているのに、メジャーになっていないのが不思議でなりません。

また、次回。