歌:スターダストレビュー
作詞:山田ひろし
作曲:柿沼 唯
これまで何度も書いていますが、この歌もyoutubeで知りました。僕が聴いたのはライブ版でしたが、ライブ版はacoustic版なのですが、つまりは最初に発表された歌よりもテンポが遅いのです。バラード調といってもいいように思いますが、acoustic版のほうが数倍魅力が増しているように思います。
僕はスターダストレビューというバンドを知ってはいましたが、知っていた楽曲といいますと「夢伝説」と「今夜だけきっと」くらいでした。たぶんこの2つはなにかのCMで使われていたのではないでしょうか。ですので、これ以外で知っている曲はありませんでした。
そうした中いつものようにyoutubeさんのお勧めで初めて「木蘭の涙」を知ったのですが、おそらく最初に発表された音源を聴いていてもさほど感銘は受けなかったように思います。acoustic版だったからこそ心に響いてきた楽曲です。
♪いつまでも いつまでも
♪側にいると 言ってた
♪あなたは嘘つきだね
♪わたしを 置き去りに
切ないですねぇ。なんと素敵な珠玉の言葉でしょう。これだけ素晴らしい歌詞を書いた人に俄然興味が湧きますが、こういうバンドの場合は自分たちで作詞作曲をすることが多いですが、調べてみますとバンドメンバーではないそれぞれ専門の方が作った楽曲でした。
作詞は「山田ひろし」さんという方で作詞も作曲もする方で、主な作品として「植村花菜」さんの「トイレの神様」とかV6さんや吉川晃司さん、ゴスペラーズさんなどに提供していました。僕が知らないだけで業界では有名な方なのでしょう。いかにも業界人といった感じのプロフィールでした。
それに対して作曲のほうは「柿沼 唯」という方で、少しばかり業界人とは毛色が違う経歴の方でした。なんとすごいのは東京芸術大学卒であることです。アーティストというよりは芸術家といったほうがふさわしい感じの経歴です。なにしろ交響曲を作曲していて、しかも大きな賞まで獲得しています。そんじょそこらのアーティスト気取りとは奥深さが違う印象です。
プロフィールに「武満徹氏のアシスタントを8年務めた」と書いてありますが、武満さん自体がそんじょそこらの芸術家ではなく、世界的に有名な方となにかの記事で読んだように記憶があります。昔、筑紫哲也さんと対談しているのを見たことがありますが、そちらの業界では神さま扱いされていたような印象があります。その方のアシスタントを務めるのですから、柿沼さん自身もそちらの世界では著名な方のように想像します。
それほどの芸術世界の方がなぜに普通の業界のバンドに曲を提供したのかまでの経緯はわかりませんでした。それはさておき、これほど素晴らしい歌であっても編曲・アレンジが違うだけでこうも違うのかと驚かされます。僕が高校生の頃「サイモンとガーファンクル」というフォーク・デュオがいたのですが、そのヒット曲に「「サウンド・オブ・サイレンス」という楽曲があります。
「サイモンとガーファンクルはデビューしたとき、アルバムを1枚出しただけで全く売れず解散状態になっていました。しかし、あるプロデューサーがアルバムに入っていた「サウンドサイレンス」のアレンジを変えてラジオで流したところ大ヒットになったそうです。その記事を読んだときに編曲・アレンジの重要性を知りました。
このようにテンポを遅くするとすごい名曲に変わることがあるのですが、甲斐バンドさんも楽曲名は忘れましたが、ライブで通常とはテンポを遅くして歌っている楽曲があるのですが、俄然そのほうが名曲と思った記憶があります。
「木蘭の涙」も通常版ではテンポが良すぎて軽く流れてしまう印象があります。歌詞の内容的にもあまりに軽く流れては詞の大切な部分が伝わってきません。悲しい曲はやはりバラード調です。素人の僕がいうのもなんですが、悲しい歌はバラード調で!
ということで、また次回。
*実は、このエッセイは昨年の11月に投稿したのですが、誤って「雑感」のコーナーに投稿していましたので改めてこちらに投稿した次第です。