心に残った歌

今までに心に残った歌(1970年代~)

世界が終わるまでは…


スポンサードリンク

1994.6.8 リリース
作詞:上杉昇
作曲:織田哲郎
歌:WANDS


この歌がヒットしていたのは知っていますし、当時WANDSがリリースした「時の扉」というアルバムも持っていました。そのアルバムは、確か、ヒットした大分あとにディスカウント店の店頭で安く販売していたのを買ったように思います。

 

当時は、WANDSとかTBOLANとかDEENなどたくさんの「同じような」といっては失礼ですが、そんなバンドが音楽界をにぎわせていました。しかし、僕はラーメン店を営んでいましたので単に「ああ、ヒットしているな」という程度の認識しか持っていませんでした。そうした状況の中でもWANDSとTBOLANが特に好きだったのですが、その理由はボーカルの方の歌声といいますか声質が僕好みだったからです。ちょっと鼻にかかっていて、甘めで、ハスキー、そんな歌声にとても惹かれていました。

 

WANDSさんで僕が印象に残っていることは、中山美穂さんのバックコーラスを務めていたことです。あくまで僕の推測ですが、WANDSの所属している芸能事務所がWANDSを売り出すために考えたコラボだったと思っています。その後、WANDSはヒット曲を連発するのですが、その後ボーカルの上杉昇さんが脱退してしまいます。その理由をなにかの記事で読み、変に納得した記憶があります。

 

脱退の理由を簡単に書きますと、「歌いたい楽曲の方向性が違ってきたから」です。これは音楽業界でよく聞く話ですが、事務所としてはヒットを出さないと儲かりませんのでヒット狙いの楽曲を作ってほしいと願います。しかし、作る人というのはヒットすることよりも「自分が伝えたい曲」を作りたくなるものです。「音楽性の違い」とよく聞くでしょうが、こればかりはそれぞれの考え方ですから、致し方ないと思います。

 

基本的に、アーティストといえども食っていかないと生きていけませんので、デビューしたての頃はヒット曲を求めます。ですが、ある程度ヒットを出しお金が貯まりますと、ヒットよりも芸術性に重点を置くようになります。僕の感覚ではおおよそ3割くらいでしょうか。それくらいの割合でヒット性から芸術性に方向転換するように思います。もちろん、一番の理想は自分の求める芸術性とヒット性が重なることですが、そうした人は少数派であるのが実際のところです。

 

こうした傾向はバンドだけではなく作詞や作曲をする人にも当てはまります。総じてクリエイティブな仕事をしている人はそうした人生を歩んでいるように想像します。反対に、ヒット曲だけにこだわる続けるアーティストもいます。こうしたアーティストは一見すると「金儲け主義」的な目で見られがちですが、僕はそのようには思っておらず、反対に尊敬しています。ヒット曲を出すことは容易なことではないと思っているからです。ヒットを出すことに全身全霊をかけ、しかもその初心を忘れていないところが尊敬にあたるところです。簡単そうで、とても難しいのは素人でも想像がつきます。

 

話が逸れてしまいましたが、ボーカルを務めていた上杉さんは一度はこの歌から離れた過去があります。ですが、現在は「世界が終わるまでは…」を作曲した織田哲郎さんとコンサート活動などもしているようです。youtubeで見たのですが、年を重ねたことで、こだわりがなくなったのかもしれません。それはそれでいいのではないでしょうか。

やはり、あの歌声は魅力的です。そして、あの歌声の原型は「BOOWY」の氷室さんにあると僕は思っています。これは前にも書いたことがありますが、日本のバンドのボーカルは氷室さんが登場する前と後で歌唱法がガラッと変わっている印象があります。このように書きますと、異論が殺到しそうですが、あくまで僕の個人的な感想ですのでご容赦ください。

 

今回この楽曲を取り上げようと思ったきっかけはバスケットボールアニメ「SLAM DUNK」の映画が公開されたことが関係しています。文藝春秋に「『SLAM DUNK』が中国で大ヒットした理由」という記事が載っていたのですが、中国でも友情とか仲間とか青春という要素がヒットの理由らしいですが、感性が同じなことに驚きました。また、上杉さんと織田さんで中国でコンサートをしていた、とも読んだのですが、こうした文化交流で二国間が仲良くなるなら、それに越したことはありません。

 

♪大都会に 僕はもう一人で
♪投げ捨てられた 空き缶のようだ

 

♪欲望だらけの 街じゃ 夜空の
♪星屑も 僕らを 灯せない

 

中国は広大な土地に14億の民が生活していますが、全員が幸せになっているか、と言われると難しいものがありそうです。民主化の点においても欧米とは違っているようですし、先日のニュースでは大手の不動産企業の厳しい経営状況が報じられていました。そのような国において、若者の中には失望感とか絶望感にさいなまれている人もいるような記事もありました。

 

♪世界が終わるまでは 離れることもない

♪はかなき想い Tragedey Night

 

こうした歌詞が今の中国の若者の心を掴み、ヒットしている要因かもしれません。

 

それでは、また。